FLAT OUT
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EXEDY製 カーボンツインクラッチ 〜シャラシャラ化〜


クラッチ。
マニュアル車に無くてはなならいパーツ。
そしてマニュアル操作のフィーリングにも影響するパーツ。
そして消耗品。
エンジンの回転をミッションに伝えたり、切り離したりする部品。
使い方によるけど、クラッチディスクは摩耗していく。
で、一般的には寿命は10万キロ以上?
走行距離よりも乗り方で変わる。
摩耗するのはクラッチが滑ってるときだけ。
つまり半クラを使う発進時がほとんど。
あとはエンジンのパワーアップをして負荷に耐えられず滑ったときくらい。
自分のは10万キロ以上走ってるけど、寿命が近いのかは不明。
半クラはほとんど使わないし、
ドリフト時も、クラッチ、ミッションを痛めないように気をつけてる。
ブーストアップしてパワーアップしたけど、
全然滑る気配はなかった。
でも走行距離も10万キロを超え、いつかは交換しないといけないってことで、
暇なときに色々な製品を探してはいた。
色々見てると物欲が...

前々からいつかはクラッチ交換&フライホイールを軽量にしたいと思ってたけど、
機会もお金も無くなかなかできなかった。
暇なときに欲しかったクラッチのサイトを覗いてみる。
あれ?
対応車種にER34が無い。
いつのまにかカタログから消えてた...
わぁお
まただ。
車の欲しかった部品はいつも無くなってる。
いつかいつかと思って後回しにすると、
取り返しが付かないことに。
恋愛や人生と同じ。

でも人生何が起きるかは分からない。
というわけで探してみたところあっさり見つかり在庫処分で安く買えた。
よかったよかった。
それがEXEDYのカーボンRツイン。
NM042SBMC1って型番で、箱にはBCNR33(R33GT-R)用って書いてた。
ER34も対応してるけど、基本はGT-R用に開発した物だろうから、
ER34にはオーバースペックだな。

かなり軽量なフライホイールに、
カーボンのディスクが2枚のクラッチシステム。
特徴としては、
慣性モーメントをできるだけ減らしたこだわりのクラッチ。
フライホイールは薄く外側は穴あきで、
クラッチディスクの直径は小さい。
これを選んだ理由は、
純正みたいに扱えるカーボンクラッチで、
レスポンスのためにこだわってて、
信頼できるメーカーで、
プル式のまま取り付けられるから。

↓これはクラッチを横から見た写真。

ツインプレートなので、カーボンの円盤が二枚ある。
上から紫のがクラッチカバーで、シルバーの部分が、
ディスクを押さえつけるプレッシャープレート。
そしてカーボンディスクがあって、
んでセンタープレートがあってカーボンディスク。
そしてフライホイールになってる。
ビッグマックみたいな構造になってる。
カーボンの二枚がミッション側とつながり、
それ以外がエンジン側とつながる。

↓上から見た写真。

真ん中のゴールドのリングのとこを引っ張るとクラッチが切れる。
(プッシュ式の場合は押すと切れる)
紫のところから中心に向かって矢みたいなのが、
ダイヤフラムで、クラッチディスクを押さえつけるバネになってる。

勘違いしてる人も多いけど、
慣性モーメントは重さだけで決まる訳じゃない。
回転中心からの距離の2乗×その位置の重さで求める。
つまり中心から重量物がある距離が重要。
ということはクラッチディスクもフライホイールも
直径が小さいほうが慣性モーメントは小さくなる。
実際、F1のクラッチディスクなんて直径9cmくらいらしいし。
とはいっても、普通の車ではあとからフライホイールの直径を変えることはできない。
(セルモータでエンジンを始動するためのギアが周囲についてるから)
なので中心から遠い部分の重量を減らすのが有効。
というわけで、このフライホイールの外周には穴が空いてる。
これで外周部の重さが減り、エンジンの空ぶかし時のふけ上がりが変わるはず。

ちなみに重さだけど、
今回買ったクラッチ(フライホイール、カバー、ディスク)を体重計で測ると、
10.8kgだった。
(KKKさん情報:カーボンDツインだと約14kgとのことです)
持ってみると意外と重い感じがしたけど軽いほうだろうな。
で、クラッチディスクの直径は、小さめで202mm。
ノーマルは250mmだったかな。
5cmしか違わないようだけど、慣性モーメントは2乗に比例するし、
材質が軽量なカーボンなので、ノーマルとは全然違う。
これのおかげで、シフトの入りが変わるはず。

ネット情報で嘘だと思う一つに「軽量フライホイールだと低速トルクが無くなる」
ってのがある。
よく見かける情報だけど、意味不明に感じてた。
なぜ低速トルクが減るのだ?
トルクを出してるのはエンジンであって、フライホイールではない。
もしかすると、軽量フライホイールを取り付け後、
クラッチミートとのときにエンストさせて、
低速トルクが無くなったって思ったとか?
謎。
実際その言葉を信じてしまってる人も多いと思う。

フライホイールの役割は、回転の変化を抑えるため。
エンジンは1回転する間に3回(6気筒の場合)爆発している。
その爆発してるときとしてないときのトルク変動を吸収して滑らかにする役割のはず。
市販車は誰でも不満なく運転できるように、
重めのフライホイールにしてる感じ。
まぁ実際に取り付けて低速トルクについて正しいか確認する。

その他の部品

クラッチを取り付けるためには、
その他の部品も必要。
まずはレリーズベアリング。
 
クラッチを引っ張るためのレリーズフォークと、
回転するクラッチを仲介するためのベアリング。
重要部品だな。
フックがついてる。

あとはミッションを下ろすからついでに交換しとけ部品。
クランクリアシール。

別に交換しなくてもいいんだろうけど、
どうせならということでこれも交換することに。
あとはパイロットブッシュ。

フライホイールの中心部に取り付けるブッシュ。
安い部品なのでクラッチ交換時には交換がお勧め。

取り付け

取り付けはDIYもほんの少し考えたけど、
大変そうなのと、動かなくなるのは困るので、お店に頼むことに。
で色々なお店に持ち込みでの工賃を聞いてみた。
何件か聞いたところ3万5千円〜4万5千円くらいだった。
とりあえず日産ディーラーにも聞いてみたら、
なんと2万5千円だと。
安い!
迷わず持って行くことにした。
車を預け、代車で時間つぶしに築城基地へ飛行機を見に行った。
ある程度時間を潰して、ディーラーに戻った。

すでにミッションは下ろされてて、
フライホイール取り付け中だった。

ミッションの無い自分の車なんて初めて見た。
ドキドキ。
フライホイールだけでも、かなりスポーティな感じになってる。
手際よく、ディスク、カバーを取り付ける。

もう見ることは無いかもしれない光景だな。

取り外した純正クラッチ。

全然形が違うな〜

↓左側がクラッチディスクとカバー
ディスクもカバーも重そうな感じ。

右側のがフライホイール。
金属の塊で、持ってみたけどかなり重かった。
いかに重くできるかって感じの設計だな。
(KKKさん情報:純正クラッチは約19kgとのことです)

クラッチディスクは、全然減ってない感じだった。
あと10万キロは余裕な感じ。

センター部にはスプリングが入ってて、
衝撃を吸収するダンパーになってる。
ディスクの中間部には、クラッチのつながりをマイルドにするため?の板バネみたいなのが入ってる。
純正は、レスポンスよりも乗りやすさを重視してる感じかな。

取り外したミッション。
レリーズフォークと、新品のレリーズベアリングを取り付け済み。

↑これを↓これにはめ込んで完了。

ファーストコンタクト

取り付けが完了し、洗車までしてくれたピカピカの車に乗り込む。
ドキドキしながらエンジンを掛ける。
クラッチを踏む。
おぉ
ノーマルよりちょっと重い。
といっても気持ち重いだけですぐに忘れてしまうような重さ。
それよりも踏んだときの感触が違う。
踏むと足の裏からクラッチの振動を感じる。
なんかちょっとレーシー
それにシャーって音がする。
ツインプレートだからクラッチを踏んでディスクがフリー状態になると、鳴る音。
必要ない音だけど、まぁしょうがない。
でも思ったより静かでよかった。
そして、何も考えずクラッチミート。
ドン
わぁお。つながりが唐突だった。
もうクラッチ交換してたことを忘れてた。
そぉ〜っとつなぐ。
ガク ガク ガク
ジャダーが出る。
うーん 発進しにくい。
とりあえず無事に日産を出た。
1回くらいエンストするかもって思ったけど、全然。
ジャダー以外はいたって普通。
普通にシフトアップする。
おぉ
シフトがスコスコ入る。
クラッチディスクの直径が小さくなり、カーボンで軽くなったので、
ノーマルに比べ慣性モーメントもかなり小さくなってる。
だからシフトを入れるとき、
シンクロナイザーでの回転合わせもすぐに出来ちゃって、
スコッて入る感じ。
ちょっと感動。

その後、空ぶかししてみる。
ノーマルとは全然違う。
今までがアクセル踏むとブオ〜ンっだったのが、
ブォンって感じになった。
これだけレスポンスがよくなると、シフトダウンが気持ちいい!
まぁ街乗りだと気持ちの問題かな。
60キロで走ってて、交差点を曲がるために減速&シフトダウン。
4→3→2ってシフトダウンし、
普通に曲がって普通に加速。
そんな街乗りでさえスポーティな気分。

実際どれくらい変わったか一目で分かるように、交換前と交換後の動画を。

ちなみにこの動画では、クラッチを踏んで空ぶかしした。
ミッション内のギア達まで回さないので、ノーマルでもそこそこレスポンスがいい感じ。
それでも、今回のクラッチ交換で劇的変化。
交換後は、タコメーターの針の動きが実際のエンジンの吹け上がりについて行けてない。

超軽量フライホイールでもアイドリングが不安定になることはなかった。
で、問題の低速トルクが減ることもなかった。
1000回転からの加速でも、全然問題なし。
基本的に文句なし。
ただ、取り付け直後の発進が難しかった。
ノーマルでは、1000回転くらいでクラッチをつないで発進してたけど、
その感覚だとジャダーがでまくりで、
発進がかなりガクガク。
低回転域での半クラが使えない状態かな。
「このクラッチはまずかったかな?」ってちょっと思ってしまった。

このクラッチは慣らしが必要。
2000回転くらいでの発進で、
300kmくらい街乗りしろと説明書に書いてる。
(500回くらいの発進)
そしてそれが終わったら、5000回転での発進を数回やれと。
これが終われば、ジャダーも無くなるのかな。
2000回転での発進は、エンジンがちょっとうるさいけど、
ジャダーも出ずにスムーズに発進できる。
意外と快適。

慣らし後インプレッション

慣らしてると、徐々にジャダーが消えていき、
発進も、純正のように普通になっていった。
クラッチの重さも慣れてしまい、
重さを感じなくなった。
クラッチ踏んだときのシャーって音がなかったら、
純正クラッチとほとんど変わりない。
でも空ぶかしすると、ノーマルとは全然違う。
いい感じ。

いいところばかりみたいだけど、
悪くなったとこも多少ある。
慣性モーメントを極端に減らしたのが影響してる。
一つは、トルクをかけたとき、1500回転くらいでギア鳴りがちょっとする。
音楽を聴いてたら気にならない程度。
普通に巡航してるときは全然鳴らないので気にならない。
もう一つは、5速に入れてるときだけ、
1000〜1900回転でアクセルを踏み込むとかなりの振動を感じる。
2000回転以上であれば全然問題なし。
原因はよく分からないけど、1500回転あたりに共振点があって、
5速だとエンジン回転を増速させるので、振動も大きく出たのかも。
ノーマルだと、重いフライホイールが振動成分を吸収してたのと、
クラッチディスクのダンパーが吸収してたんだと思う。

このクラッチに換えて体感したこと

鈍感な自分でも体感できたことを書いておく。
・取り付け直後は、ジャダーが出て発進がシビア(2000rpm以上でやればスムーズ)
・空ぶかしのふけ上がりがいい
・5速の1900rpm以下で負荷を掛けると振動が伝わってくる
・エンジンを切ると一瞬でストンと切れる
・シフトの入りがかなりいい(力を入れなくてもスコンと入る)
・クラッチを踏むとシャーって音がする
・ちょっとだけクラッチが重くなった(体感的には1割くらい)
・慣らしが終わると、発進もスムーズでノーマルの時と同じくらい快適
最低これだけは、どんな人でも体感できると思う。

あとは、これに交換したあとのメリット、デメリットを。
★メリット
・普通の純正クラッチと発進フィーリングは同じ
・シフトダウン時の回転合わせが気持ちよくなる
・シンクロを痛めないかも(ミッション長持ち?)
・低速ギア(1,2速)だと加速性もほんのちょっとアップかも
・10kgくらい軽量化になる
・ER34の入りにくいと言われる5速もスコッと入るようになった

★デメリット
・クラッチ踏んだときにシャーってなる
・低回転(2000rpm以下)で負荷を掛けるとほんのちょっとギアから音がする
・5速で低回転(2000rpm以下)のときにアクセル踏み込むと振動がかなり伝わる

結果として、交換して大満足な結果だった。
純正なみの使いやすさで、
空ぶかしレスポンスは抜群。
空ぶかしで7000回転まで回してアイドリングまで戻るまでの時間は、
ノーマルだと6秒ちょっと。
交換後は3秒ちょっと。
このカーボンクラッチは、寿命も長いらしい。
ただ誰にでもお勧めかというと、そうでもない。
いつも家族で乗るような車ならお勧めしないけど、
それ以外だったら全然問題無いと思う。
といっても、もう生産中止品みたいだけど...


今回買った部品
EXEDY カーボンRツイン
30502-12U00 レリーズベアリング 6590円
32202-B950A パイロットブッシュ 190円
12279-5L310 クランクリアシール 1510円
交換工賃(日産ディーラー) 25000円
作業日:2009/11/28
走行距離:108246km

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